d0iの連絡帳

気がむいたら書く

現職を退職いたします

このblogもほとんど活用されていないのですが、節目ぐらいはまじめに書いておこう。

7/11が、現職(株式会社東芝 研究開発センター)の最終出社日となります。

思えば16年、役に立たない*1研究ばかりやってきました。そんな中にも多少の未来を感じさせる価値を生み出せてきてたらいいなと思っています。修士卒で就職してから、在職中に課程博士にも通わせて頂き*2、ちょっとだけ余分に時間がかかりましたが、何とか学位を頂いたのはありがたかったなぁ、と。また、ネットワーク関係を無線を中心とした下位層から、XML/UMLのような上位層まで、体験・貢献できたのも良い思い出です。

東芝での最後の仕事は、DICOMOでのプログラム副委員長*3でした。結局実行委員側のタスクは任せっぱなしだったので、たいして仕事してないような気もしますが。DICOMOのナイトテクニカルでネタにして頂いた*4のもはじめてだったので、なかなか楽しかったです。

現職の仕事は、昨年度末ごろからいろいろ考えていたので、できるだけ仕事をしないスタイルでやっていました。要は、「いなくなられても困らない、無能な社員」を目指して行動していました。とはいえ本当の無能を目指すとさっさとクビになるので、若手の仕事のディレクションと、まとめて上に報告する、あとは事務仕事*5をこなす、というスタイルです。こうすると、一見仕事をしているように見えますが、実際には何の価値も生み出していないグータラ社員の一丁上がり、という目論見です。現実には、「自分がいなくなっても組織が回るようにする」というのは、組織管理としては最上の目標であって、極めて難しいということに後から気がついたのですが。とはいえ、そういった所を目指す働き方によって、自分の視野もだいぶん、広がったように思います。「辞めるぞ/ここからいなくなるぞ」という決意がチームリーダーとしての成長を促す、というのは逆説的でなかなか興味深い話だと思います。

さいわい、5月ごろに某ベンチャー*6からお誘いを頂き、退職を決意しました。実際の退職日は7/31なのですが、諸事情により*7有給をがっつり消化できることになりました。たまたまなのですが、娘が7/5に生まれたので、育休だと思ってしばらく家族とゆっくり過ごしつつ、次の職に向けた準備を進めようと思います。

現職のチームの皆様をはじめとした、関係各位には、土井のわがままで多大なるご迷惑をおかけしますが、一人の研究者として違うフィールドとのクロスオーバー領域に向かうのを止めることができませんでした。願わくば、新しい職場において、日本の産業競争力を高めることで、間接的に現職組織にも貢献できるような仕事ができればうれしいと思います。新しい職場については、また時機がきたらご報告いたします。

退職の件を何名かの方には事前にお知らせしたのですが、その時に、この選択を支えてくださった方がいらっしゃったのが、とてもうれしい反面、大変な時期に職場を離れてしまう自分としては、その方々に申しわけないなあ、という気持ちでいっぱいです。

なにはともあれ alea iacta est ということで、おおきな幹線道路から外れて、ゴールドラッシュに湧く西海岸みたいな領域に踏み出す自分の人生に、これからどれだけの困難が待っているのか、楽しみです。皆様にも良いご報告ができるよう精進して参りますので、引き続きよろしくお願い申しあげます。

*1:直接の利益につながらない

*2:東大の博士課程はあまり社会人に対する手加減がないので、まじめに輪講には出なければなりません。ただし、会社から時間的なお許しは頂いていましたが、金銭的援助は受けていません。

*3:要は裏方ですが

*4:7/5に娘が生まれたので、初日参加できなかったのですよ

*5:予算管理とか...?

*6:にしてはおおきいですが,現職の「部」より小さい

*7:要は、早く出てけという。